16mmフィルム映画上映会

光と影の魔法

フィルム映写機を使ったワクワクする上映会はいかが?

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【2018】映画館の裏方「映写の仕事」って?何してるの?

「フィルム」と「映写機」

 

こんにちは。ヒデカズです。

2005年から「映画館で映画を映す仕事」をしています。

映画を映す仕事というと、、、

ニュー・シネマ・パラダイスに出てくる映写技師のハゲたおっさんが思い浮かびますが、、、

2011年頃から映画のデジタル化が進み、現在、フィルムで上映している映画館はほとんどありません。ほとんどというか、99%ありません。

そう、こんなのから、こんなのに変わったわけです。だからもう、完全に絶滅職種(笑)

で、じゃあ、デジタル映画の映写って一体どんなことをやってるのかってことで、、、今回は、ダラダラと書き綴って行きます。

「フィルム映写の仕事って?」はこちら。

ちなみに、仕事歴でいうと、フィルム7年、デジタル7年といった感じです。

まさに「ハイブリットデジタルシネマ映写技師野郎」です。よろしく。

デジタル時代の「映写」のおもな仕事

フィルム時代はフィルムを切ったり繋げたりしていましたが、デジタルになってからは映写の仕事内容も大きく変わりました。

なので、、、「映写」といっても、事務の仕事や、フロアなどの仕事も行います。

映写だけの業務でいうと、、、

・上映素材をサーバーに入れる
・スケジュールを組む
・映画をスタートさせる
・試写をする(音量を決めたり)
・上映機材のメンテナンス

簡単にいうと、こんなことを、、、いや、ほかにも色々やってるんですが、DCPをインジェストして、、、KDMの期限が、、、FLAT、SCOPE、ダンケルク!とか、専門用語ばかりでわけわかめなので。

まあ、上映するという事に関しては、ぶっちゃけ、DVDやブルーレイを再生するみたいに「人差し指一本」で映画が上映できちゃいます。

というか、自動で勝手に上映も始まるから、何もしなくていいという・・・。

だから、今では「映写室が無人」のところもあります。

こんな風に書くと「くっそ楽な仕事ですな!」って思われますが、その通り、くっそ楽な仕事です。

ただし、「上映するだけなら」「何もトラブルがなければ」の話ですが!

これだから、、、映写さんって何してるの?なんて言われてしまう、悲しいセクションなんですよ。

仕事時間や休みは?

仕事時間は映画館によってまちまちですが、、、

基本は

・9:00~18:00
・15:00~24:00

です。

休みはサービス業ですから、週休2日ですが不定休。

また、映写は機材のメンテナンスや試写の関係で「営業前」や「営業後」の仕事もたくさんあるため、朝は早く、夜は遅いです。

ずっと映画を見てられるの?

映画館で働いてるって言うと、必ずこの質問を聞かれますが、、、

「見てるわけねーだろ!」

すみません、つい。

基本的にはワンオペなので、上映チェックや試写以外はまず見れません。上映中も事務作業などをしています。

新作映画は試写で見れますが、誰が犯人なの?っていうようなサスペンス映画も最初におもいきりわかってしまうという(笑)

そんな感じです。

どうやって映画を映しているの?

使っている機材や設備の名称なんかは「企業秘密」なので詳しくは書けませんが、、、

・プロジェクター(映像)
・サーバー(素材)
・アンプ+スピーカー(音)

この3つで映画を映しています。

サーバーで読み込んだ映画をプロジェクターでスクリーンに投影しています。

プロジェクターから出ている光は「キセノンランプ」という太陽光と同じ波長のランプが使われています。

このランプの光が人の肌色などを、もっとも自然に投影できるから。

また、スクリーンには細かい穴が開いていて、そこから音(正確には後ろのスピーカーの音)が通り抜けて出ています。

とまあ、「へえ~」と鼻くそほじりながら聞いてくれれば結構です。

映すのは「映画」だけじゃない。

デジタルプロジェクターになってからは、上映の幅も広がりました。

近年では、衛星中継だったり、ライブビューイングだったり、サッカーのパブリックビューイングだったり、イベント上映だったり、、、エンターテイメントとしての上映が増えました。

その都度、扱う機材も設定も違います。これがまたややこしや!

そのため、ケーブルの配線や音響などの知識も必要になってきました。

プレシャーハンパない!

イベント上映時、映写のプレッシャーはハンパないです。

これ、ほんと胃が痛くなります。

やはり、予期しないトラブルが起こることもありますからね。

私も何度もやってます・・・。

また、デジタルのトラブルってのはパソコンなんかと同じで「原因がわからない」って事も多いです。

ましてや、ライブビューイングやイベント上映はやり直しがききませんからね。

なので、上映中はまったく落ち着きません。

もう、確認に確認を重ね、さらに確認して、自分は脅迫性障害なんじゃないかってくらい確認するわけですよ(笑)

まあ、それでも「起こるときは起こります」

そして、くっそ凹みます。

だから、どれだけすばやく対応できるかです。こればっかりは経験です。

失敗しなきゃ成長もないわけです。

とにかく、何もなければ平和そのものですが、、、イベント上映に限らず、トラブル時はもうお祭りさわぎです。

雷も怖いですね。

瞬間停電で、映画が止まったりしたら、それはもう、、、狂喜乱舞です。

というか、映写って必要なの?

ついに言ってしまいましたね・・・。

自動で動くなら「映写」なんていらない。って思うかもしれませんが、、、

たしかに、いずれはすべてオートメーション化されるでしょう。

でもね、、、

「映写は必要だ」って断言できます。というか、イベント上映が増えるにつれ、存在価値は大きくなってきています。

その変わり、これからは「今までにないスキル」が必要になっています。

トラブル時の対応はあたりまえだとして、、、

・映像の知識

・音響の知識

・設備や機材に対する知識

とくに、映像と音響に関しては、同じ作品でも大きな差がでます。

ただ、上映するだけなら誰でもできます。

しかし、美しく上映するには「技術」が必要です。そのための「映写」は必要です。

作品によって音響設定が違うのは当たり前。

画面の明るさや、サイズ調整、映写角度、フットランバート、反響音などなど、、、。

同じ映画を見るなら、少しでも音響や映像がきれいな劇場で見たいですからね。

これからは、ボリュームなど適当に上映している映画館からはお客さんも離れていくことでしょう。普通に見るならホームシアターで十分ですからね。

とにかく、映写、否、映写マスターは必要なわけです。

映画館も映写も個性の時代

その劇場でしか体験できない「音」や「映像」が求められています。

どこどこの映画館の○番シアターの音響がすごいとかも、口コミで広がっています。

立川シネマシティの「爆音上映」や、塚口サンサン劇場の「マサラ上映」などなど、、、。

個性的な上映も増えています。

だから、映写も「ただ上映する」だけでなく、いかに最高の形で上映するかって事。

映写ではなく「デジタルシネママイスター」にレベルアップする必要があるわけです。

デジタルシネママイスター検定とかやろうよ!

ドゥウェイン・ジョンソン検定とかやろうよ!

あとがき

まあ、そうは言ってもね、、、映写さんってのは悲しい職業なんですよ。

夜中にひとり映写室で機材のメンテナンスや音響調整をしたりね・・・。

有名な映画館の映写さんとかもう尊敬します。きっと影の努力は計り知れないでしょう。

トラブルを起こせば、何やってんだといわれ、何もなければ忘れられ、薄暗い映写室をさまよい、味噌と少しの野菜を食べ、そういうものにわたしはなりたい、、、。

ということで、、、

なんとなく「どんな仕事か」かわかりましたでしょうか(笑)

しいて言えば、かなり人を選ぶ仕事でもあると思います。一人が好き、裏方の仕事をしてみたい、薄暗いところが好き、などなど、、、ちょっと変わった方にはグッとくる職業かと。

これから、映写という職業がどうなっていくのかは、わかりませんが、、、

時代が変わっても、、、

「映画を最高の状態でお客様に届ける」ってのが映写技師の使命です!

それでは、さいごまでありがとうございました。

コメント

  1. トガワケイスケ より:

    僕は1956年生まれで、映画館で育ちました。東宝系で洋画と邦画を週替わりで上映していました。映写室に映写技師のお兄さんがいて、一人での仕事は大変そうでした。まずフィルムのセッティング。スクリーンのカーテンの開閉テスト。そして2台の映写機のフィルムを回して試写。お客さんの入場が始まる頃、シングルレコードを回し場内に流します。上映間近になると、マイクでアナウンス。そしてペダルのブザーを踏み、場内を暗くして、映写を始めます。フィルムを切り替えるタイミングには驚きました。しかし時々居眠りをして、スクリーンが真っ白になると観客からブーイングを浴びせられ、詫びをアナウンス。お兄さんはストレスが抜けず、短命でした。以上です。

    • hidekazu hidekazu より:

      コメントありがとうございます。映画館で育ったなんて羨ましいです。当時のフィルム映写技師も大変だったんですね~。

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