拝啓「フィルム映写機」殿。100年もの間おつかれさまでした。

100年もの間、映画館のスクリーンを照らし続けてくれてありがとう。

映画館で映画を見る事なんて、小さい頃のドラえもんくらいでほとんどなかった僕。

そんな僕が初めて映写室の中で動くあなたを見た時は
まるで、子供がカッコイイ合体ロボを見たときのような気持ちに
なったのを覚えています。

「映写機ってこんなになってるんだ!」

と感動したのを覚えています。

いくつもの歯車を回しながら、スクリーンを照らす姿はとてもかっこよくて。

子供のころ映画よりも気になっていた、劇場の後ろの小窓。

暗闇の奥からスクリーンに放たれる、一筋の光。

雨あがり、曇り空の隙間から差し込むやさしい光のようでした。

パタパタと流れて行くフィルムを見ているのも好きでした。

フィルムが流れて行くように時代も流れていきます。

どんどん便利になっていきます。

それが良い事なのか、悪い事なのかわかりません。

ただ、100年もの間、映画を支えてくれたあなたにお礼がいいたい。

劇場の後ろからそっと見守ってくれていたあなたにお礼がいいたい。
「ありがとう」
そして「おつかれさま」でした。

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